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子供たちの応用力の低下が、問題視されています。
これは、学校教育の問題ではなく、今の社会が、応用力を必要としない社会だからです。
全く応用力を必要としないのではなく、
「応用力を持った一部の人間に頼れば良い」と考える社会ということです。
つまり、人間関係で、他人の力に依存して生きて行くのが、社会の主流ということです。
たとえば、会社の中の経営者や営業マンは、自分で物を作りません。
物作りは他人任せです。
したがって、自分自身は、応用力を必要としません。
自分自身は、基本的な知識を口にするだけです。
舌先三寸で要領よく振舞って、上の地位を得られれば、
後は、下の人間たちが頑張ってくれます。
舌先三寸で要領よく振舞うには、記憶力が大切です。
そして、素早い言葉のやりとりが大切です。
「言って言われて言い返す」
「騙し騙され騙し返す」
ここでは、じっくり考える事はありません。
応用力とは、一人で時間を掛けてじっくり考える行為です。
ある意味では、一人で悩む行為とも言えます。
ところが現代社会では、
「一人で悩まずに誰かに相談しましょう」
と言われます。
つまり、
「応用力は要らない」
「他人に頼って生きて行きましょう」
と言っている訳です。
これでは、応用力は養われません。
応用力を学校の教育で教えようとしているようですが、
応用力は、教える事はできません。
教えた時点で、それは、応用力ではなく、単なる一つの知識の記憶になります。
応用力は、教えるのではなく、
じっくり時間を掛けて考える姿勢を、身に付けさせる事が大切です。
ちょっと考えて分からないと、すぐに諦めて投げ出してしまう子供が増えているようです。
この短絡的な性格が、無差別殺人や自殺につながります。
応用力低下は、学力だけの問題ではないという事です。
応用力低下の一番の原因は、人間関係重視で、
地位や名誉に対して報酬が支払われる社会構造にあると思います。
<追伸>
「夢主義社会」に、お金はありません。
人々は、夢を追い求めます。
報酬は、次の夢に挑戦できる権利です。
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