夢主義社会トップへ 公的資金投入でも景気後退は止められない   2008年10月12日  戻る

アメリカのサブプライム問題の解決策として、
かつての、日本の金融危機での政策を参考にして、
世界各国で、銀行への公的資金投入が始まるようです。

でも、日本が金融危機を脱出(一時的に)できたのは、
結局、株価吊り上げだったのではないでしょうか?
今の、世界規模での景気後退局面で、株価吊り上げは可能なのでしょうか?

小泉改革では、大手銀行に公的資金を投入して、手厚く保護、
さらに、海外にアピールして、株価吊り上げに成功しました。
そして、大手銀行は、相次いで、増資を行い、高い株価で売り抜けました。
高い株価で売り抜けることができたので、後は、下がっても関係ありません。

単に、大手銀行に公的資金を投入するだけでは、景気は回復しません。
景気が回復しないと、公的資金を回収できません。
景気の回復とは、巨額のお金が、社会の中をグルグルと回ることです。
そのためには、お金が、株や不動産に投資されることが必要です。
投入した公的資金以上のお金が出回れば、大手銀行は、そのお金を、
チャッカリ、自分の懐に入れることができます。※増資です。

日本が金融危機を脱出(一時的に)できたのは、海外投資家が、日本の株や不動産に投資してくれたからです。
日銀は、金融危機を脱出するための金融政策なんて、何もしていないのです。
単に、海外投資家からの投資が行われるまで、待っていただけです。

アメリカの景気も、結局、アメリカの株を誰かが吊り上げない限り、回復しないでしょう。
でも、今の、世界規模での景気後退局面で、誰が株を買うのでしょうか?
公的資金投入しても景気後退は止められない感じがします。

もし、金融ブラックホールに状態に至っていたならば、
どんなに巨額の資金を投入しても、全てブラックホールに吸い込まれてしまいます。

個人的には、「夢主義社会」(お金のない社会)を提唱していますので、
金融ブラックホールに状態に至って、社会にお金が無くなれば、
必然的に、「夢主義社会」に移行せざるを得なくなり、嬉しい事です。

もちろん、早く株を売り抜けて、資産を現金で温存していた人が多くいれば、
けっこう早く回復するのかもしれません。


<補足>
人・物・金が、経済の3大要素と言われています。
でも、実在するものは、人と物です。
お金は、人が物を得るために、便宜的に考え出した仮想のものです。

金融ビッグバンは、この仮想のお金に注目して、膨張させた訳です。
実体が伴わないので、簡単に膨張させられます。
でも、実体とのギャップが広がり、何れは、収縮を始めます。

本来、大切なものは、人と物です。
人は、物を作るための生産者であり、また同時に、物を消費する消費者でもあります。
多くの人たちが、多くの物を作ることにより、人類の未来へと続きます。

本来の成長路線は、お金ではなく、人と物をベースに考えるべきです。
それが、「夢主義社会」です。

<追伸>
「夢主義社会」に、お金はありません。
人々は、夢を追い求めます。
報酬は、次の夢に挑戦できる権利です。