地球温暖化防止:バイオガソリンの嘘  2009年6月5日更新  



地球温暖化防止イメージ図→クリックで拡大

■地球温暖化対策ではなく、化石燃料枯渇対策

木材チップでのバイオマス発電が増えているようです。
石油を燃やすとCO2排出にカウントされますが、木材チップは燃やしてもCO2排出にカウントされないそうです。
木材は再生可能資源だからだそうです。
でも、再生可能資源と言っても、実際に、植林で再生しなければ、石油と同じです。
逆に、石油を燃やしても、その後に、植林すれば木材と同じです。
やはり、木材チップもCO2排出にカウントすべきです。
そうしないと、ペテンです。

本来、CO2排出にカウントしなくて良い植物の燃焼は、砂漠等で新たに育てた植物に限定すべきです。
従来からの自然のCO2吸収サイクルに加味されている植物の燃焼は、CO2排出にカウントすべきです。

しかし、何故、石油・石炭の利用が、特別、悪者にされているのか?
それは、石油・石炭が、何れは枯渇するからです。
石油・石炭が枯渇すると、多くの企業が困ります。
そのために、代替策を、世界を上げて取り組んでいるのです。
つまり、真の狙いは、地球温暖化対策ではなく、化石燃料枯渇対策なのです。
従って、本音は、植物を燃やしてCO2が多く排出されて、地球温暖化が進んでも関係ないと考えているのです。
あちこちでの地球温暖化対策の会議に出席している人たちの真の目的は、化石燃料枯渇対策なのです。

地球温暖化対策という大儀で進められていますが、ほんとうは、化石燃料が枯渇すると困る企業が、
一般民衆を巻き込んで、代替策や延命治療を模索しているだけなのです。
政府は、企業の論理を優先します。
一般民衆は、この企業や政府に、騙されているのです。

植物の燃焼をCO2排出にカウントして、対策を考えないと、地球温暖化はどんどん進みます。

■「バイオガソリンが環境に優しい」は嘘! 

世の中、色々な定説・ルールが作られていますが、それらが100%正しいとは限りません。
京都議定書にも間違いがあると思われます。

私が間違っていると思うのは、バイオエタノールの事項です。
バイオエタノールは、CO2を吸収した植物から作るので、燃焼させて再度CO2を出しても、
地球全体としては、CO2の増加にならないから問題ないとされています。
このため、従来の農作物を、バイオエタノールを作るための農作物に切替える農家が増えているそうです。

しかし、従来の農作物は、二酸化炭素の吸収に一役買っていました。
そして、その農作物を、人間も含めた動物が食べることにより、CO2はあまり出ていませんでした。
それを、ガソリンとして燃焼させてしまうと、二酸化炭素の排出は従来よりも急激に増えます。

従来の農場で育てた農作物でバイオエタノールを作るのではなく、
砂漠等を緑化して、新たに農作物を育て、バイオエタノールを作るのが本筋ではないでしょうか?
おそらく、京都議定書作成当初は、そういうつもりで、バイオエタノールの効果を提唱したのだと思います。
それが、いつのまにか、「とにかくバイオエタノールは地球温暖化防止になるんだ」ということになり、
結果、従来の農場で育てた農作物でバイオエタノールを作ることに至っているのだと思われます。
他にも、「経済を活性化したい」、「ガソリンに依存した社会構造を継続したい」というような様々な思いもあるのでしょう。

そもそも、石油は天然のバイオガソリンです。
遥か昔、二酸化炭素を吸収して成長した植物が、石油になりました。
そして、今も尚、植物は二酸化炭素を吸収してくれています。
昔の植物(石油)を燃やすのか、最近の植物(バイオガソリン)を燃やすのかの違いに過ぎません。
大切なことは、植物を増やすこと、そして、植物を燃やさないことだと思います。

バイオガソリンを利用するよりも、車をできるだけ利用しないようにすることが大切だと思います。
車を使いたいならば、電気自動車に移行すべきです。
その電気は、太陽光発電で作るべきです。

太陽光発電は、砂漠等でソーラーパネルで作れば良いと思います。
砂漠を緑化するのは難しいですが、ソーラーパネルを設置するのは簡単ではないでしょうか。

■バイオガソリン:機械優先社会(道を誤った京都議定書)

バイオエタノールを作るために、人間や動物が食べていた穀物が、車等の機械に向けられています。
SF物語の中では、機械が人間を支配する社会を描いたものがありますが、今の社会情勢は、正に、この道を歩んでいるように見えます。
人間は、飢えに苦しみ、機械は、しっかりガソリンを食べさせてもらえる社会。
人間や動物よりも、機械が優先して食料を食べるなんて、完璧に狂っています。

学者たちが、知恵を絞って作成した京都議定書。
しかし、学者たちは、発想が偏っているようです。
何のための地球温暖化防止対策なのか。
地球温暖化防止対策は、人間や動物のための対策です。
車等の機械のための、対策ではありません。
バイオガソリンは、CO2の排出を抑えることにばかり目が向き、人間や動物の存在を忘れています。
京都議定書での、バイオエタノールに関する案は間違いであり、削除すべきです。

<追伸>
人間も含めて動物は、穀物の栄養をを吸収後、残りを排出します。
そして土に返します。
これが、自然の摂理に適った生命活動です。

動物が食べるべき穀物を、バイオエタノールに変えて車で燃焼させる行為では、桁違いに早く穀物を消費します。
土に返る物質も減ります。
人工的に行う行為は、適度を知らないようです。
これが、自然のバランスを崩しています。

また、バイオガソリンは、穀物の価格高騰や食料不足を招いています。
どうしても、バイオガソリンを作りたいならば、動物が食べた後の排出物で作るべきです。
動物よりも、機械が優先して食料を食べるなんて、完璧に狂っています。

■文明は、火で始まり、火で滅亡?

地球温暖化の原因は、「人類が火を使い始めたから」と考えられないでしょうか。
人類が他の動物と大きく異なるのは、火を使うことです。
人類は、火を使うことで、文明を発展させてきました。
そして、今、その火によって、地球温暖化を引き起こし、人類滅亡に至ろうとしています。

SF物語では、
「大きな力(エネルギー)を手にした人類が、その大きな力をコントロールできずに滅亡する」
といった話があります。
その大きなエネルギーとは、原子力といったようなエネルギーではなく、すでに日常的に使われている「火」なのかもしれません。
マッチ一本程度の火ならば、問題無いと思うかもしれません。
でも、その小さな火を全人類が使っているのが現状です。
小さな火も、全人類が使うことで、大きな火となり、地球温暖化を引き起こしているようです。

火は、物を短時間に焼き尽くして灰にしてしまいます。
通常の生命活動では、生命の体の中で、緩やかに化学反応が進みます。
この緩やかな化学反応こそが、自然と調和した生き方と言えるでしょう。